2014年6月13日金曜日

サイトM&Aの平均売却額の見込み(概算方法)について




ウェブサービスのマネタイズの方法としてはいろいろあるが、いっそのこと「ウェブサイトごと売却する」という形もあるのではないかと思ったので、調べてみた。

まず、検索で最初にヒットする下記のサイトで、過去の事例の中から「成約」したものを抽出した。
≫Link:サイト売買実績国内最大級【サイトM&A公式サイト】
http://www.sitema.jp/ (案件取引一覧

140件の購入・売却が「成約」したものについて、下記のデータで分析する。


  • 売却額(希望売却額ベース)
  • 月間売上高
  • 月間営業利益
  • 月間PV


その他にも、登録日や閲覧数(たぶん案件が見られた回数)の数字もあるが、結果から言うと、相関が認められなかったので捨像してかまわない。

抽出サンプルの平均は、


  • 売却額        5,797,489 円
  • 月間売上高  1,147,147 円
  • 月間営業利益 270,943 円
  • 月間PV         878,247 PV


であった。回帰分析を行った結果、

売却額 =
   680,000 +
   (1.78) × 月間売上 +
   (10.0) × 月間営業利益 +
   (0.41) × 月間PV

となる式で、おおよそ7割の精度で推定ができる。



検証結果から特異データを除けば、
下記のような分布になる。(100%で推定通り。100%より上は、推定より高額になる)




おおよそ算式どおりではあるが、ばらつきも大きい。
200%あたりまでは多いので、交渉の余地があろう。



パラメーターごとの寄与度は、下記の通り。




PVよりも何よりも、営業利益が重視されると思われる。





さて、先ほどの散布図では平均から大きくオーバー(300%~1000%)するものも多い。
これら事例タイトルを抜粋すると、


  • 電子書籍のECサイト
  • ウェディングSNSサイト
  • SEO対策用サテライトサイト100サイトセット
  • 会員7万人 女性向けダイエットSNS
  • スカウト機能付き、企業側も自主登録可能な求人サイト【著作権フリー】
  • コンテンツが豊富な犬のコミュニティーサイト
  • 期限切れドメイン検索サイト
  • メールフォームのレンタルサービス
  • 女性限定コミュニティサイト(SNS)


コミュニティ系のサービスが並ぶ。

データをみると、PV(おそらく会員数も相関しているであろう)によって価値の多くが決まるようだ。また、売却額は ECサイト・情報サイトなどと比べて大きく上振れしやすい。夢がある話だ。


ついでにではあるが、先ほどの散布図で
平均からアンダー(~33%)してしまった事例のタイトルを抜粋すると、


  • 海外ブランドアパレルECサイト 3サイトセット
  • 還暦祝いギフトのECサイト
  • レーザープリンター、複合機のECサイト
  • 住宅照明器具のECサイト
  • 輸入電子雑貨・ゲームパーツのECサイト
  • 中古携帯(白ロム)買取サイト


ほぼECサイトが並ぶ。
これらはPVにかかわりなく、売上低迷で判断されているようである。



.
 

2014年6月4日水曜日

次の10年で 『considerate な IT 』がくる



未来予想をするのは楽しいもので、今日はいろいろ考えたものを公開してみます。

ユビキタスとかフラット化とかロングテールとかの次の潮流は
" considerate な IT "( 気が利くIT )と予想しています。



 今後5~10年の予想


►User Interface(UI)
  • HTML5 → コモディティ化して GFX レベルになる (GFX参考
  • UI・UX・デザインが会社の ”資産” になる → 「デザイン・ファースト
  • ITが「気が利く」(considerate)ようになる  →  テキストマイニング、ニューラルネットワークなどのAI技術
  • ユビキタス → デバイスが透明になる → 物理的にも、意識的にも
  • キーボードレス(手書きタッチペン)、マウスレス、音声入力 → 体感覚デバイス

►お仕事
  • 非正規雇用が多数派に。業務委託請負が増える
  • さらに在宅勤務が主流に → 日本法人でも海外の人を雇うことが普通になる、バーチャル執務室、video会議がデフォに → 出勤は週2日とか普通 (参考
  • 上記とあいまって、名古屋に住んで東京の会社に勤務できるようになる(リニア開通)→ 究極として、日本全国が首都への通勤可能圏になる

►IT環境
  • ノートパソコンが、ほぼ絶滅
  • 仕事用のパソコンは、ほぼリモートデスクトップになる
  • 会社のPCモニタは垂直から、斜め置きへ (参考) 、リビングでは、水平へ (参考)
  • 液晶テレビは、短焦点プロジェクタに置き換わる (参考) → 4K・8Kよりもこのスタイル変化のほうが大きい
  • 自宅PCでも無線通信(携帯キャリアの電波)がメインとなり、光ファイバー契約は減少 → モバイルとホームの垣根が無くなる

►ウェブサービス
  • SNS → PLN (Personal Logging Network) に包含されていく
  • Openなネットに対して、Closedなネットというもう一面が伸びる → i.e.スノーデン
  • ライフログ → ハードの競争から、ソフトの競争(プラットフォーム争奪戦)へ移行 

►ビジネス環境
  • IT系のサービスの覇権が、世界(グローバル)統一ではなく、(アジア、アフリカ、中国などの)ブロックごと・文化圏ごとになる
  • イノベーションが、インドとかアフリカから起こる
  • Mペサ(参考)みたいなものが日本にくる →  ドコモが金融の会社になる
  • アマゾンも楽天も、金融事業が伸びるかも。


また思いついたら書きます。


・・・自由な発想と呼ぶにしては真っ当すぎるような気がします。
でも、本当に破天荒なものは社長名のブログでは書けませんよね。


2020年代とか2030年代は、テクノロジーではなくて、サイコロジーが最先端かもしれない。


.