2009年4月21日火曜日

日本人はなぜシュートを打たないのか?

気になるタイトルのではある。この作者が書いているコラムを読んだ。
http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/topics_4.folder/08_japan_2.11.html


基本的に農耕民族である日本人の場合、やることは決まっているから、そのルーチンワークを、遅滞なく、またミスなく着実に(真面目に)実行していくことが求められる・・という生活の仕方に対するベーシックな態度があると思います。だから、社会性や協調性が問われる集団主義的な発想が根付いていく!?

それに対して、サッカー発祥の地は、基本的に狩猟民族の文化。狩猟プロセスでは、失敗は当たり前だからね。何度も、何度も、トライ(リスクチャレンジ)&エラーを繰り返すしかないというわけです。それも、自分自身の判断と決断をベースにして。だから、個人主義的な発想が根付いていく

前述した文化的なバックボーンも含めて、リスクにチャレンジすることに消極的な日本人については、その原因として、こんな背景ファクターや現象を想定できるかもしれない。



思うに逡巡は先送りにすぎず、状況を好転させるよりも悪化させることがほとんどだ。
そう分かっていても、リスク=チャンスを前にして、一瞬ひるんでしまう=好機を失うという傾向は、日本文化にその要因があったということなのか。(下記注あり)
であるとすれば、グローバル化が進んだ今は(そして世界レベルの戦いをめざすのであれば)、ビジネス面ではそういった農耕的な意識を昇華しないと危うい。


失敗した後に再びチャンスを得にくい(そう思いこまれている!?)という社会体質(仕事の内容が決まっている農業では大きな失敗は起きにくい≒失敗を犯した場合、その当事者の人格まで問われたりする!?)・・だから失敗することを極端に怖がる・・また日本では、子供のコーチが、失敗という現象を、その背景にある原因の構図をしっかりと把握せずに表面的に叱るケースが多い・・などなど(例示がちょっと舌っ足らず・・ゴメン!)。
 ということで、こんな仮説が成りたつかもしれない。日本では、「人は、失敗からしか学ぶことはできない」という普遍的なテーマを(その深い意味を)しっかり理解しようとしていない!? もっと言えば、学ばなくても(進歩しなくても)ルーチンワークさえこなしていれば安泰という社会体質も背景にある!?



私たちは、失敗した後のルーズボールの価値を軽く見すぎているのかもしれない。「人は、失敗からしか学ぶことはできない」というのはもっともであるし、「失敗からチャンスが広がる」ということも(むしろそのほうが)多いのではないか。
リスク対策をうたい文句にしたIT系のサービスは多いし、予算も獲得しやすい。もちろんそれはとてもいいことなのだが、リスク抑制とリスクテイクはバランスが大事。現状は、なんとなくリスク抑制側に偏っている気がする。リスク管理に力を入れるなら、同じくらいに、チャンス管理(!?)的な視点も必要だろう。リスクテイクは、中小ベンチャーにとっての隠れたビジネス戦略でもあると思う。

逡巡や先送りではなく、「前倒し」、いい意味での「リスクテイク」の態度で、思いっきりシュートを打ってみる。そんなビジネスライフを送りたいものである。


(さかい:注)ざっくりと、日本人の気質のひとつを捉えた話としてとりあげたが、狩猟民族も農耕民族も厳格な定義・分類があるわけではない。
現在の民族的文化の源泉をどちらに求めるのかという曖昧な話だし、例外も多い。(イタリア人などラテン系はシュートをよく打つが、農耕民族だ)。




その他:
http://satinokaitigo.hp.infoseek.co.jp/sub4-16%20minnzokunotokuseiNo1.html


(2009.6.5追記)
ちょっと変化の兆しか?本田くん頑張れ!
http://clipfork.tumblr.com/post/117747374




 

2009年4月20日月曜日

ITでは、おもちゃが生き残る

コンピュータ業界の歴史は「おもちゃ」による勝利の積み重ね
http://d.hatena.ne.jp/kwatch/20080708/1215531146
というエントリーがあった。
たしかに、MySQLもLinuxも、Javascriptも登場した頃はもっと高級な技術のおもちゃに過ぎなかったが、今は主流である。


・Multicsはろくに使われなかったのに、某研究所の片隅に転がっていたマシンで作られたUNIXは大人気に。

・そのUNIXがバカにしていたMS-DOSやWindowsは、コンシューマ用OSで世界制覇を果たした。

・国防省キモ入りで委員会によって作られたAdaは国防省の案件ぐらいでしか使われず、個人が作ったPascalやCのほうがずっと広まった。

・IBMが推進していたTokenLingは、Ethernetの安さに完全に敗北。

・RISC派がバカにしていたCISCは、RISCが得意としていたサーバ分野も制覇。

・Mac信者がバカにしていたx86は、今はMacのCPU。

・SCSIがバカにしていたIDEは、改訂を重ねて今でも主力技術のひとつ。

・BSD派がバカにしていたLinuxは、UNIX系OSとしては世界で最もよく使われているOSになった。

・OracleがバカにしていたMySQLは、GoogleやFacebookなど新興企業が軒並み採用。

・みんながバカにしていたJavaScriptは、今や空前のブーム。

・メインフレームはミニコンに、ミニコンはPCに、そして今やPCはケータイやDS-Liteに取ってかわられようとしている。

以上引用。

おもちゃである制約は、ギルダーの法則、ムーアの法則が解決してしまう。
したがって、シンプルな土台に立つ方が、洗練しやすい。つまり、時代のニーズに適応させやすいということもあり、生き残るのだろう。
手が届くこと、シンプルであること、フレキシブルであること、それがイノベーションの出発点である。

そんなおもちゃに対して、優れた&権威ある技術の方は時代を、自分たちの技術の側に合わせようと待っているだけだ。ベクトルが反対になっているのだ。技術的に優れているからと言って、普及するわけではない。




関連するエントリーとしては、
http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/259
がある。時系列に、ある技術の発展を分析している。
(滅んだ技術は、第1世代の発想を乗り越えられなかった、ということになる)

・複雑すぎた第一世代は、洗練を経て、平凡に回帰する

・新しいけれど複雑な製品は、どこかで根本的な何かを突破して、
シンプルで、画期的な何かへと生まれ変わる。

・本当に画期的な製品は、誕生と同時に、常識を上書きしてしまう。
それは一見すると、なんだか昔から存在していたような、
誰でも思いつきそうな、平凡なものに見える

・手が届くこと。それを使っている自分が想像できること。
技術の見通しがよくて、 シンプルで、あまつさえ「平凡」に見えるプロダクトが、たぶん世の中を大きく動かす



日本のITゼネコンは、官庁などに技術を高く売るために、おもちゃを蔑む傾向が強い。その結果、いずれの「おもちゃ」の時流にも乗り遅れ、ガラパゴス化し、収益構造が伸びず疲弊している。もったいない。権威に弱いのかなあとも思ったが、単に自らの利権構造をブラックボックス化しようというだけのような気もする。だとすれば、自業自得だ。





 

2009年4月11日土曜日

いつまでコピー制限は生き残るのか

Bluetoothのノイズキャンセリング型ヘッドホンを買いに行ったのだが、『SCMS-Tの制限により、音楽再生機器によっては音が鳴りません』と店員に言われ、買うのを止めた。TVディスプレイ買おうにも、COPPとかHDCP等のわけのわからん動画プロテクト規格を調べないとイケナイなんて、、、業界は消費者に何を強いているんだろう。

DVDを買うときの「ビデオ用」と「データ用」もまやかしだ。実際は中身は同じ。価格に「録音(著作権)保証料」が上乗せされているだけなのが「ビデオ用」。



P-MODELの平沢さんの記事に、音楽ソフトのコピープロテクト問題へのアプローチがあった。課題解決へのヒントを見た気がする。彼は自分でネット配信をしているのだが、曰わく、

・自分で配信するようになってからは、作品の売れ行きが伸びた
・コピープロテクトをかけないことは、プロモーションにつながる

とのこと。「違法コピーしてそれで満足してしまうようなものであれば、それは作品のせい」と喝破しています。

http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0606/12/news005_3.html


平沢氏: メジャーレーベルを辞めて自分で配信するようになってからは、作品の売れ行きは伸びて、マーケットも広がってます。無料のMP3配信を監視していると、ダウンロードが24時間止まらないんです。そうしているうちに、次は世界中からCDの注文が入ってくる。そう考えると、無料で音楽を配信すること、コピープロテクトをかけないことは、プロモーションにつながるんです。これはものすごい威力ですよ。お金を払ってまで欲しいと思ってくれなければ、やってる意味がない。違法コピーしてそれで満足してしまうようなものであれば、それは自分のせいだと。作品がその程度のものでしかないと判断する姿勢を、今のところ持っています。

JASRACは、ただの集金機関に過ぎないのに多額の手数料を徴収し(だいたい印税の半分はもっていかれる)、その分配金の基準も不透明ときている。もはや時代からいつ引導を渡されてもおかしくない。それなのに、JASRAC・メジャーレーベル・AV機器メーカー・レコードショップ・配信事業者などなどが、プロテクト技術の進歩に日々多大な労力を費やしているのはばかげている。


(1)高城さんの本にもあるとおり、「一回アナログにしてから各自でデジタル化」してしまえば、デジタルコピー制限なんて意味なくなるのだ。もちろん音質の劣化など、素人には分からないレベル。

(2)そうでなくとも、コピー制限を外したコンテンツが、You●●なんかで流れまくっているので、結局プロテクト技術は、「無益」な「いたちごっこ」。

(3)しかも、プロテクト規格がわかりにくい。10回までOKとか、1回のみとか、HDCP、SCMS-Tとか、相性が合わないと、機器をつないでも動かないことがある。これは害悪以外の何者でもない。




もっとITでのコンテンツ配信が根付いたら(あと10年ぐらい後だろうか)、いっそコピー制限やめてみればどうだろう。AV機器業界、コンテンツ産業全体での成長が見込めるはずだ。金払う価値があるものは、ちゃんとカネになるから。(利権団体は、政治家や官僚と組んで阻止するだろうが)




 

2009年4月9日木曜日

Hidden Champions

WBSで紹介されてましたが、
「Hidden Champions」~物作り大国のドイツにて、「隠れたチャンピオン」と呼ばれる知名度は低いが世界シェア上位に位置する中小企業を掲載した書籍。
これらの企業の共通点は


(1)事業の集中と選択
(2)ニッチな商品をグローバル展開していること
(3)顧客との積極的なコミュニケーション


だという。確かに最近の勝ち組企業ってこんな感じだね。

事業の舵取りの上で、上記の視点は参考になる。
それぞれはよく知られたポイントだが、まとめた話ははじめてだったのでメモ。




 

2009年4月8日水曜日

このサービスにはやられた!



かわいい女性が入れ替わり立ち替わり、
時刻をお知らせする【時計】です。iGoogleでも使える。
http://www.bijint.com/
手に持った黒板の時刻が変わると共に、写真も別ショットになる。



技術的には、超がつくくらい簡単。
なぜ自分は思いつかなかったのだろうかと思うと、悔しい。
もちろん写真集めるのは労力だろうし(この労力なら楽しいだろうが)、
写真をとるスキルも必要かと思うが。



やっぱり、あまりビジネスとプライベート(?)を分けない方がいいなあと。
楽しいことや趣味を、ひたすら追究していく視点も必要だな。
技術的に高度なことは、決して必須ではないことを再確認し、
とても刺激になりました。

※とはいえ、ここ数日よく上記サーバーが落ちるように
 なってしまっている。
 人気コンテンツを目指すなら、負荷対策は必須かと。
 ひろまった途端、落ちるのはもったいない。