いわゆるフリーミアムというかたちで、広告収入を見込んだB2C型のウェブサービスがこれまで数多く勃興してきた。広告が貼ってある掲示板やSNS、ニュースメディアや、価格比較サイト、ツール類を僕たちは無料で利用してきたと思う。
だが、そろそろ潮目が変わりそうだ。これは幾分深刻な問題で、各事業者は数年以内にビジネスモデルの転換を求められることだろう。
パイの奪い合い
広告媒体は、バナーから検索連動ときて動画広告・ソーシャル広告と、「等比級数的」にひろがっている。ところが一方の、企業の広告予算は算術級数的にしか増えない。
そのため、広告出稿というパイの奪い合いが進んでいて、広告マーケットの規模は大きくなっているものの、一媒体あたりの収益は下がっている。この点はGoogleの人が指摘していた。
動画などに進出していない単一チャンネルの媒体(メディア)にとっては、厳しい時代に入る。
ボットの存在
ある統計によれば、実発生クリックのうち半分以上が、ボット(機械)に因るものという。本当ならばこれはとんでもない詐欺である。現にクリック屋というものが看板を掲げている。なんだこれわ!!
://clicksonic.blog.fc2.com/、://s1s.jp/
これらの調査が正しければ、現在の広告マーケットは「バブル」ということになる。
参考 Facebookページ 総クリック数の80%が『ボット』によるものだと判明
あなたも入れてる?アドブロック
広告を非表示にするアドオンの広がりが止まらない。2015年には媒体側に220億ドル(約2兆7400億円)の損失が生まれるというリポートがある。
参考 http://forbesjapan.com/translation/post_7647.html
もちろん広告は邪魔である。私も、なくてもいいなら無くしたい。
そして、広告技術が進めば進むほど、自分が監視されているような嫌悪感を抱く人も増えてくる。現在の主流は、インタレストマッチ(興味関心に基づく個人ターゲット広告)だからだ。
甚だしきは、Appleがアドブロックを実装するという話である。Appleは広告で失敗していて、Googleは成功している。Androidに対抗するため、ジョブズ亡き後のAppleがかくのごとき愚挙に出る可能性はぬぐえない。
未来にむけて
課金、グッズ販売、デジタルコンテンツ、イベントなど、Donation(寄付)も含めて、 ユーザーから「直接お金をいただく」サービスに取り組むことが、 これまで以上に求められるし、今のうちから模索していくべきだろう。
いずれにせよ収益を単一チャンネルに依存せず複線化することが、 しなやかな処世術となるであろう。