2010年3月4日木曜日

新しい音楽ジャンルの誕生を見ているのかもしれない

これはある週のJOYSOUNDの週刊ランキング。

★ 1 炉心融解 iroha(sasaki) feat.鏡音リン
☆ 2 残酷な天使のテーゼ 高橋洋子
  3 イチブトゼンブ B’z
★ 4 magnet minato(流星P) feat.初音ミク、巡音ルカ
★ 5 メルト supercell
★ 6 ワールドイズマイン supercell
  7 キセキ GReeeeN
  8 Story AI
★ 9 ロミオとシンデレラ doriko
  10 キセキ《PVカラオケ》 GReeeeN

この★マークが付いたものは、曲はボーカロイド曲といわれるもので、ニコニコ動画でボーカロイドという歌唱ソフトに歌わせた歌なのですが、ついにJOYSOUNDで総合1位を獲得してしまいました。
(参考:
(参考:http://www.youtube.com/watch?v=lFuzSc4Yfeg )
(参考:http://www.youtube.com/watch?v=eHcIBoYWBVs )
(参考:http://www.youtube.com/watch?v=CTIqu5Mz0aI )


ウェブサイトにアップロードされただけの、電通もマスコミも通さない曲です。
JASRACも音楽出版社も絡まない。著作権の問題も少ない。


■ポイント1:完成度

これ、完成度が高い。
音楽機材・映像機材の進歩と低廉化で、素人とプロの垣根が小さくなっているわけで、素人とあなどってはいけない。さらに素人は1作に時間を多くかけれる。(プロとはなにか?という議論はまた稿を改めてします)

ボーカロイドも、そういうジャンルだと思えばなんのことはない。逆に、生身のアーティストもボコーダーなんか使って、むしろボーカロイド化してるわけで


■ポイント2:CGM&コラボ

これ、責任者がいない。
だれかが曲を作ってアップロードする。それをみて誰かが、絵を付ける。それをみて誰かが、ボーカルパートを入れる。それをみて誰かが、PV動画を付ける。すべて自然発生。いくつか同時に生まれたら、一番支持されているものが伸びて、次の段階に進む。

ディレクターも、プロデューサーもいない。もちろん、見向きもされない曲の方が多いのだが、それはネットの中も外も同じ。

もう一つ例を。
ニコニコ動画で歴代2位。そのうち1位になるであろう動画がこれ。
Bad Apple!! PV【影絵】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8628149 (
これはもともとコミックマーケットで広まっていたゲーム。
→ フリーのコミュニティの中で、そのキャラを肉付け
→ 誰かがゲーム音楽を、歌詞付きボーカル曲に
→ 誰かがボーカル曲をアレンジ、ボーカルを入れる
→ 誰かがダンス音楽にリミックス
→ 誰かがPVのコンテをつくる
→ 誰かがPVとして動画にする(←いまここ)
<※ディテールの誤差は許してね>

この先予想できない。おもしろい。
すでにこの動画のパロディなど多数、CNNでも取り上げられた、といった状況。



■ポイント3:著作権がうるさくない

基本的なマナー(クレジット入れ)などをさぼらなければ、自由にアレンジできる。なので、予想もしない成長をする。


違法アップロードを禁止すればするほど、こういうシーンが伸びるというのは皮肉かもしれない。

音楽業界も早く戦略転換しないと、干上がってしまいますね。あるキャズムを超えたら、この音楽のありかたが、ちゃんとビジネスになると思うし、まっとうな市場ができてほしいものです。(実際にコンピアルバムが売れていますよね)


なんかもう、ひとつの新しい音楽シーンが出来てきた。Rockの誕生に匹敵するというのは言い過ぎだろうか。


 

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